チャンピオンへの施術

日本から帰ってきて、聞かれることが一番多い質問

「クライアントさんにどんな施術をしたんですか？」

守秘義務があるので、詳しい施術内容は言えませんが、チャンピオン（今回負けて、タイトルは取れなかったけれど、すでに何度も世界チャンピオンになっているので、僕はこう呼んでいます）には、毎晩、試合当日前まで、診させていただきました。

ホテルで真夜中、練習疲れのチャンピオンと２人きり。

そこで交わした濃密な時間は一生忘れらないでしょう。

日本で、アメリカで、ヨーロッパで、道を歩いていたらサインをせがまれる人に施術をさせていただいている。

スポーツ番組や新聞によく顔が出て、世界を舞台に戦っている人が目の前のベッドで横たわっている。


う～ん、こんなオレで良かったのだろうか？

そんな弱気を振り切って、全身全霊を込めて施術させていただいた。

僕にできることは、いつも通り、自分の１００％を出し切って、治療することのみ。


後半になると、それに加えて厳しい減量が待っている。

戦う前の獣の雰囲気がさらに一層激しくなる。

ホテルの部屋がカミソリを含んだような緊張感で満たされる。

その中を僕の「ここはどう？」「これを動かしてみて？」の質問だけが聞こえる。


ボクシングの世界チャンピオンはどう考えたって、普通じゃない人たち。

その“究極のてっぺん”を診るという貴重な経験をさせてもらった。

これは僕のセラピストとしてのキャリアの、一生モンの身となり、糧となり、活きてくる。

それにしても、いい経験をさせてもらったもんだ。


あっ！？当日配られたパンフレットにこんなもの発見！



あの時の緊張感が蘇ってくる～。